研究内容

村上グループ


①食素材の機能性研究
 メタボリックシンドロームを中心とした生活習慣病予防効果を持つ素材の探索と評価、機能性食品としての可能性を研究しています。

②タウリンの生活習慣病の予防・改善作用の解明研究
 非アルコール性脂肪肝炎や糖尿病に対してタウリンが有効であることを見出しました。現在、その有効性のメカニズムを研究しています。

高橋グループ


① 特産農作物に含まれる抗炎症性化合物の単離・構造決定
 これまでに、ナツメや木田チリメンシソなどから抗炎症性化合物を見出しています。福井市小幡町地区(旧坂井郡棗村)にはナツメ農園があり、ナツメ乾燥果実は、漢方の大棗として知られています。木田チリメンシソは、福井市木田町地区にあった在来種の赤ジソで、濃い赤紫色をしており、梅干し作りに欠かせないものとなっています。これらの機能性成分については知見が少なかったことから、炎症性疾患に繋がる一酸化窒素(nitric oxide, NO)やスーパーオキサイド(O2-)の産生を抑制するような成分(抗炎症性成分)を探索しました。その結果、ナツメからは数種のトリテルペンを、木田チリメンシソからはグリセロ糖脂質を強力な活性成分として見出し、現在、作用発現機構の解明を進めています。

② 機能性成分の定量・季節変動の解析
 機能性成分は、作物品種や栽培時期によって増減すると予想されますが、そのような変動を解析した事例は限られていました。その理由は、それぞれの食素材における機能性成分の実体が不明であることによります。逆に言えば、機能性成分の実体が分かれば、素材中にどんな機能性成分がどれほどの量含まれているかが分かり、機能性についても定量的に解析することが可能となります。まず、モデル野菜としてホウレンソウを取り上げ、抗炎症性成分として、ジテルペンアルコールやジアシルグリセロールを解明しました。現在、これらの簡易定量法の構築に取り組んでいます。これが確立できれば、全国的に多種多様なホウレンソウについて、その抗炎症性を機能性成分量で追跡でき、どこの産地のどの季節の素材が抗炎症性に富んでいるか解析可能となります。主要な食素材でこのような解析ができるようになればと期待しています。
 
③ 微生物プロテアーゼの解析と機能性ペプチド生成への利用
 タンパク質をプロテアーゼ分解して得られるペプチドには、多様な生理活性ペプチドが含まれていることが知られています。中でも血圧降下作用を示すアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害ペプチドは有名な例であり、特定保健用食品に利用されているものもあります。福井県内土壌より分離された新種細菌が分泌するNPR-7は、キチン(多糖類)への結合配列をもつ大変珍しい特徴を備えたプロテアーゼです。現在その構造機能解析や生理活性ペプチド生成への利用に取組んでおり、ACE阻害ペプチド生成や自然発症高血圧ラット(SHRラット)への経口投与にて血圧降下作用を示す新しい加工品の創出に取組んでいます。

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伊藤グループ


①認知症予防効果のある機能性食成分の探索
 アルツハイマー病などの認知症は異常なタンパク質が長年にわたって脳に蓄積することで引き起こされる疾患です。機能性食成分によって脳でのタンパク質の品質管理を正常に維持することができれば認知症が予防できるのではないかと考えています。

②サルコペニア予防効果のある機能性成分の探索
 サルコペニア(=老化による筋力の低下)の予防を助けることができる機能性食品成分を探しています。私たちは「タウリン」に筋肉細胞を太くする効果があることを見出しました。現在、タウリンが老化による筋力ダウンに効果があるか、動物実験などで明らかにしていきます。

③タウリンの生理作用に関する研究~タウリントランスポーターノックアウトマウス(TauTKOマウス)
 タウリンは生体内に広く分布し多量に含まれるアミノ酸です。通常は食事でタウリンを摂取しており、特に魚介類に多く含まれています。古くから、疲労や糖尿病、動脈硬化、肝臓病、腎疾患、中枢系疾患など幅広い分野で研究が進められています。一方で、猫などのタウリンの生合成能力が極めて低い動物ではタウリン欠乏をおこし、失明や心筋症発症に至ることが知られています。私たちは、タウリン欠乏と疾患との関連性を解析する目的で、タウリントランスポーターノックアウトマウスを作製して研究を進めてきました。このマウスでは、組織タウリン量の低下に伴って、心機能の低下に加えて運動能力の低下や低体重などが観察されました。現在はこのマウスを用いてタウリン欠乏と疾患や加齢との関連性、メカニズムについて解析を進めています。

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福井県立大学 生物資源学部 分子機能科学研究領域 機能食品学分野
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