海外インターンシップ研修(ベトナム、タイ)

平成29年9月3日(日)~10日(日)

日程 : 2017年9月3日(日)~10日(日)(7泊8日)
場所 : ベトナム(ホーチミン)、タイ(バンコク)

 9月3日(日)~10日(日)まで、本学の学生9名が、地域経済研究所が企画した海外インターンシップ研修に参加し、ベトナム・タイを訪問。現地に進出している自動車、繊維、金属加工、化学、建築資材、食品等の日系企業計10社、ジェトロ等4団体、計14の企業・団体と面談し、事業活動状況やグローバル戦略、現地従業員との関係作り等についてお話を伺い、工場を拝見させて頂いた。

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■参加者の声(経済学部4年1名、3年2名、2年3名、1年2名、修士2年1名の計9名)

【将来の海外勤務を見据えて】
 今回の研修では、日系企業がどのような労働環境・人材育成をしているのかという点に焦点を絞りました。ワーカーがきちんと挨拶をする企業、ワーカー自身が5Sの事を自発的に考え行動することができる環境作り、福利厚生や社員旅行など大家族的な組織作りを実行し定着率を上げている企業等、人材育成に力を入れている企業が殆どでした。将来、海外の人と働くことを見据えて、文化の違いをポジティブに捉えて、柔軟な発想で臨もうと思います。

【グローバル人材に求められているものとは】
 今回の研修で、海外で働くことがどのようなものなのか知ることができました。カルチャーギャップを楽しみ積極的に行動していく力、コミュニケーションをするうえで言葉の壁をいかに取り払うか等、語学の重要さを再確認でき、今後も英語の勉強はしっかりと続けていこうと思います。今回お話を聞かせていただいた方の多くは、強い向上心を持っていてとても魅力的に映り、自分もこんな社会人になりたいと感じました。

【現地での生の声で疑問が解消】
 海外展開している日系企業が、なぜ人件費が上昇しているタイやベトナムに生産拠点を置いているのかに疑問を持っていたのですが、今回の研修を通して疑問を解消することができました。タイにはサプライヤーが多く、インフラや港が整備されており、原材料・商品の輸出入がしやすい。生産設備も日本と同レベルで自動化によって生産コストを抑えている。東南アジア内でいくつも生産拠点を置くことも、輸出入コストや、生産の住み分けによるコストの削減が理由だと知ることができました。現地を視察し、現場の生の声を聞いたことで、座学で学んだだけでは分からなかった現場の苦労やそこから生まれる工夫を学べたことは大きな収穫でした。

【新しい発見から勉強意欲が湧いた】
 今回の研修で、自分の視野がかなり広がりました。今までは日本しか知らなかったし、日本が標準と思ってきました。しかし、実際に海外で働く人達を見てみると、同じアジアだけど生活、文化、環境、考え方など多くの点で異なっており、自分の視野の狭さを改めて感じました。多くの企業を訪問することで、自分が何に興味があるかということもわかりました。勉強不足であると感じることも多々ありましたが、その分勉強意欲が高まりました。この経験を生かして、より大学での勉強に励みたいと思います。


■日程

9/3(日)  小松空港⇒成田⇒ホーチミン
9/4(月) ホーチミン市内名所視察
YKK (ニョンチャック工業団地)
9/5(火) フクビ化学工業 (アマタ工業団地)
日華化学 (アマタ工業団地)
シオガイ精機(アマタ工業団地)
9/6(水) ジェトロホーチミン事務所
市岡製菓 (高島屋内)
イオンモール視察
 ホーチミン⇒バンコク
9/7(木) 日産自動車
アマタナコン工業団地事務所
平岡産業 (アマタナコン工業団地)
サイアム ニラミット(タイ古典舞踊)
9/8(金) セーレン
日本エー・エム・シー
フクイバンコクサポートセンター
9/9(土) SMI Travel
ジェトロバンコク
商業施設でのフィールドワーク
9/10(日)  バンコク⇒羽田経由⇒小松空港


■研修行程
◇9月3日(日)
日本⇒ベトナム・ホーチミン
小松空港から14:40のフライトで成田経由でホーチミンに21時到着。

◇9月4日(月)
1.YKK VIETNAM CO., LTD  13:30~15:00
 ニョンチャックにあるファスナーの新工場(2015年12月に増築完了)を訪問。原材料から製品までの一貫生産と富山本社で開発・製造されている専用の生産設備を武器に世界で不動の地位を確立している。またチャイナ・プラスワンの動きでベトナム工場の役割が増大している。工場見学では、自動化の進んでいる生産ラインに学生達の関心は高かった。
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      YKK会議室での質疑応答          自動化が進んでいる生産ラインを見学

◇9月5日(火)
2.フクビ化学工業 (FUKUVI VIETNAM CO., LTD.)  9:00~11:00
 アマタ工業団地にある建築資材、樹脂製産業資材の製造・販売会社を訪問。アマタ工業団地があるビエンホアは人口100万人の省都のため、人材確保が容易で電力も安定している。輸出加工型企業として2013年に設立し、日本向けと現地企業からのOEMが主な取引である。今後は日系ゼネコンの進出で、日本式内装部材の需要増が期待できる。また日系進出企業へのOEM供給拡大にも取り組んでいくという。工場視察では、多数の部品を連続的に製造できる押出成型機の生産ラインを見学することができた。
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       事業概要のプレゼン             押出成型機等の見学

3.日華化学 (NICCA VIETNAM Co., Ltd.)  13:00~14:30
 アマタ工業団地にある繊維工業用界面活性剤の製造・販売会社を訪問。各国の繊維産業の発展と共に、納入先に近い生産拠点確保という適地適産の発想から、海外の8つの国と地域に12の子会社を有している。2004年に設立された日華ベトナムは、台湾・韓国・中国系大手繊維企業のベトナム進出に伴い発展してきた。特に中国企業は今後大きく伸びると見込んでいるという。日華化学の強みは、各国の海外拠点から優秀な技術営業を集め、台湾・中国系顧客には日華台湾の技術営業員が、韓国系顧客には日華韓国からの技術営業員がベトナムに駐在し対応するというように、グローバルネットワークのシナジーを最大限に発揮できることだ。学生達は、海外展開戦略の先進的事例を学ぶことができ、活発な質疑応答が交わされた。
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      海外展開戦略のプレゼン               工場見学

4.シオガイ精機 (Shiogai Seiki Vietnam)  15:00~17:00
 アマタ工業団地にある京都本社の各種工場用産業自動化機械と治具の設計・製造会社を訪問。なぜベトナムで成長することができたかは、1個からの注文でも可能な機械部品加工会社=「シオガイ精機」という企業ブランドができたことである。タウン誌で広告を打ち、電話かFAXで注文を受け、多品種・小ロットを売りにしている。人材育成は5Sを重視し、給与は実力主義で給与の差は日本と比較にならないという。工場見学では、最新のマシニングセンターからフライス盤、最新の自動計測器まで見学することができた。
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   海外での企業成長の秘訣をプレゼン          各種切削加工機を見学

◇9月6日(水)
5.ジェトロホーチミン事務所  9:00~10:00
 ベトナム各省の人口、平均年収や北部ハノイと南部のホーチミンの国民性の違い、繊維・スマホ・米・コーヒー等主要産業の紹介を最新の資料に基づきブリーフィングを受ける。一人当たりGDPが5,500米ドルを超えているホーチミンは順調な経済発展とともにモータリゼーションも急速に進展しており、今後自動車需要が一段と高まるとみられている。ベトナム南部出身で海外でのビジネスに成功している越僑からの資金流入が年間90億米ドルにも上り、ホーチミンでの消費に貢献している。最近の日系企業の進出は非製造の中小企業が多くなってきていて、マーケットとしてホーチミンが注目されている。
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                ジェトロホーチミン事務所にて

6.市岡製菓 (ICHIOKA VIETNAM)  10:30~12:00
 徳島県本社の高島屋にある菓子販売店舗を訪問。高島屋の店舗以外にも、イオンモール、ファミリーマート、ミニストップで主力商品の「ドラえもんDORAYAKI」を販売している。2015年にホーチミン進出以来、当初は投資額を少なくしリスクを抑え、第2ステップとして来年レンタル工場でどら焼きの生産を開始予定。将来はアセアン諸国への輸出も視野に入れているという。
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ベトナム人と仕事をする上で気を付けていること等、
ベトナムでの日本人起業家のお話を熱心に聞き入っていた

ベトナム・ホーチミン⇒タイ・バンコク
ホーチミン・タンソンニャット国際空港から17:00のフライトでバンコクに18:30到着。

◇9月7日(木)
7.日産自動車(NISSAN MOTOR (THAILAND) CO., LTD.)  10:00~11:30
 タイ工場では日産グローバル戦略車であるピックアップトラックのナバラ(NAVARA)が生産され、タイ国内やオーストラリアへFTAを利用した輸出が盛んに行われている。2010年から日産マーチのタイ工場への生産移管や、タイ政府のファーストカーインセンティブの減税効果で生産が伸びている。人事システムや人財マネジメントはグローバルで共通な取組みが行われていること等、日産自動車のグローバル展開について理解を深めることができた。工場見学では、自動車のライン生産を拝見し、自動車工場で働く人々の工夫や努力について学ぶことができた。
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    事業概要とグローバル戦略のプレゼン    日産グローバル戦略車ナバラ(NAVARA)

8.アマタナコン工業団地管理事務所  13:30~14:30
 アマタナコン工業団地等のタイ国内工場団地に入居するメリットとして、BOI(タイ投資委員会)による税制面での優遇制度の恩典、環境インフラの整備、IEAT(タイ工業団地公社)による許認可取得のワンストップサービス等がある。タイでの駐在員の仕事や生活面での魅力をはじめ、海外勤務で求められるスキルとして、現地の言葉でコミュニケーションが取れるか、異文化の人達と仕事をする上で柔軟な対応が取れるか等、様々なアドバイスをいただいた。
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             管理事務所にてブリーフィングと質問風景

9.平岡産業(E&H PRECISION THAILAND)  14:40~16:00
 東南アジア最大級の切削加工工場を訪問。自動車やバイクの燃料噴射装置やブレーキといった重要部品から、音響、家電、OA機器、釣具、玩具まで、技術開発~工程設計~試作~生産を行っている。日本ではすでに生産を行っておらず、タイがマザー工場としてインド、メキシコ拠点を統括している。工場見学では、CNC自動旋盤や二次加工機の量の多さは圧巻であった。
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       事業概要等のプレゼン            NC旋盤加工機を見学

◇9月8日(金)
10.セーレン(Saha Seiren Co., Ltd.)  10:30~13:00
 自動車カーシート生地の一貫生産工場を訪問。商品開発する技術力や、原糸から裁断縫製までの一貫生産システムにより、競合他社との差別化を図りながら、現地生産・現地販売を行っていること等、繊維業界を代表するグローバル企業の成功の秘訣を学んだ。工場見学では、整経・編立から染色仕上加工まで、繊維産業の加工工程をすべて見学することができ、大変貴重な機会であった。
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    事業概要とグローバル戦略のプレゼン       繊維の一貫生産工場を見学

11.日本エー・エム・シー(BANGKOK-AMC Co., LTD)  14:30~16:00
 高圧配管用継ぎ手部品の製造工場を訪問。タイにて建機から自動車部品産業へのシフトに成功し、新工場建設に至る経緯について伺った。中国・タイ・フィリピンとリスクヘッジを行いながら現地の経済・産業構造の変化に対応されている企業経営を学ぶことができた。
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   事業概要とグローバル戦略のプレゼン            工場見学

12.ふくいバンコクビジネスサポートセンター  19:30~20:00
 バンコク市内のレストランにて、アセアン経済の概況と福井県企業の進出状況のブリーフィングをいただいた。日系企業のアセアンへの進出理由が、安い労働力を求めて生産拠点を作り日本へ輸出していた時代から、近年は中所得者の増加からマーケットとしての魅力が高まり、現地生産・現地販売を目的に進出する企業が増えている。駐在するのに必要なスキルなど、学生にとって興味のあるお話であった。

◇9月9日(土)
13. SMI Travel (WENDY TOUR)  9:00~9:50
 宿泊ホテル内にて、現地旅行会社からタイ人の日本への観光と日本製品の競争力についてブリーフィングをいただいた。タイ人の日本のイメージが先進国の中でNo.1で、化粧品、シャンプー、某ブランドシューズ等に人気がある。日本への旅行は2013年にビザ免除で、観光目的のタイ人観光客が急増している。タイ人向けのツアーパンフレットは、日程・場所・観光スポットを掲載したシンプルな作りで、タイの国民性や商習慣などを学ぶことができた。
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    ホテル内でのブリーフィング

14.ジェトロバンコク  10:00~11:00
 タイのマクロ経済、日系企業の投資状況を中心にブリーフィングをいただいた。タイへの進出の魅力として、整備されたインフラ、外資優遇政策、自動車産業の集積とサプライチェーンを背景にした容易な調達、一人当たりGDPが5千ドルを超えた国内需要への期待、親日的な国民性が挙げられる。日系企業の進出は、2014年確認された数は4,567社で、最近ではサービス業による進出が増加している。日本食レストラン数の推移は近年は10~20%の伸び率で増加してきたが、2016年は計2,713軒、1年間に約300店舗が新たに進出し、約200店舗が撤退するなど競争が激しくなっており、増加率は3.6%と鈍化傾向にある。タイ人の意識調査では、1番好きな外国料理は日本食が67%で、2位の中国の12%を大きく上回っている。理由としては、味の良さと健康に配慮されていることで、カロリーの取り過ぎに注意していること等、健康志向が高まってきている。タイでは日本のテレビ、マンガなども人気を博しており、「どらえもん」が1番人気である。また、2016年にアニメイトが進出、海賊版撲滅、日本コンテンツの普及に取組んでいる。タイの物価と購買力は、例えば日本で160円のカップヌードルはタイでは96バーツ(約300円)で販売されているが、タイ人の給与水準からの購買力では10倍の960円に相当する。タイではFacebook、LINE等の普及率が60%と高く、SNSを使った広告が効果的である。メディカルツーリズムも盛んで、400ある私立病院は海外からの人間ドックの受入れに積極的である。高齢化率が14%に到達するのは日本より早く、介護ビジネスに進出の機会があるという。
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    ホテル内でのブリーフィング

15.商業施設でのフィールドワーク  11:30~13:00
 日本人向けスーパーのフジスーパーと高級ショッピングモールのEmQuartier(エムクオーティエ)を訪問。「日本製品の競争力」をテーマに、2グループに分かれ現地ショップ店員に、英語でのインタビューを行った。
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    福井のお酒「梵」を見つける       ユニクロでタイ人スタッフにヒアリング

サイアム ニラミット(Siam Niramit)
 タイの歴史や文化をわかり易く華やかに見せてくれるスケールが大きい古典舞踊ショーのテーマパークを訪問。ショーの中座でタイの民族楽器を使った演奏会があり、ドレミファソラシドの最後の「ド」だけ客席から選出。約300人の観客から選ばれた1名が当大学の学生で、今回の研修の中で思い出に残るシーンとなった。
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真ん中で中座している男優さんの右隣が選ばれた男子学生

◇9月10日(日)
タイ・バンコク⇒日本
バンコク・スワンナプーム国際空港から9:35のフライトで羽田経由で小松空港に20:50時到着。
高速バスで福井駅に22時無事到着。

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