海外インターンシップ研修(ベトナム、タイ)

日程 : 2015年8月30日(日曜日)から9月7日(月曜日)(8泊9日)
場所 : ベトナム(ホーチミン3泊)、タイ(バンコク郊外5泊)

8月30日(日曜日)から9月7日(月曜日)まで、本学の学生11名が、地域経済研究所が企画した海外インターンシップ研修に参加し、ベトナム・タイを訪問しました。
現地に進出している自動車、繊維、金属加工等の日系企業の他、ベトナムに進出している台湾企業、ジェトロ等計14社を訪問。現地法人の役割と強み、海外勤務の実情、海外展開に長けている台湾企業の成功の秘訣等、国際ビジネスに従事する上で必要な知識や関心を高めました。学生達は企業でのヒアリングを積み重ねるごとに理解を深め、全員が積極的に質問を行うようになりました。
研修の最終日には、タイ商業施設でのフィールドワークがあり、「日本製品の競争力」をテーマに、3グループに分かれ現地ショップ店員やお客様にインタビューを行いました。ここで大半の学生は日本で勉強した英語が現地で通じないことに苦戦しましたが、各自が試行錯誤しながら積極的にインタビューを行っていました。


■参加者
経済学部4年2名、3年2名、2年7名の計11名


■研修行程
8月30日(日曜日)
日本⇒ベトナム・ホーチミン
小松空港から11時30分のフライトで羽田、成田経由でホーチミンに22時到着。

8月31日(月曜日)
1.ジェトロホーチミン事務所 10時から11時
最新の資料に基づきホーチミンの概況、日本企業の進出状況についてブリーフィングを受ける。ジェトロ海外事務所の中でホーチミン事務所の訪問者が2番目に多いことに、日系企業の注目度の高さを認識することができました。

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ジェトロ海外事務所にて
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2.YKK VIETNAM CO., LTD 13時半から15時
ファスナーの製造工場を訪問。原材料から製品までの一貫生産を確立していること、日本本社で製造した生産設備を各国拠点に設置し品質レベルを均一に保っていること等、世界で不動の地位を確立されている模範的な企業から多くのことを学ぶことができました。

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YKK会議室にて質問をする学生達
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9月1日(火曜日)
4.徳本工業有限公司(台湾鋳造・縫製メーカー) 9時から11時
台中市に本社を置く緯西企業グループが1994年にホーチミン市に設立した馬具製造メーカーを訪問。馬具の縫製、蹄鉄などの金具のほか、工業用継ぎ手やバルブなどの縫製・鋳造工場を視察しました。工場内での台湾人トップ・幹部とワーカー(ベトナム人)とのコミュニケーションの良さに日本企業とは違う台湾企業の経営管理の上手さを感じ取ったようでした。

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会議室にて現地台湾スタッフの紹介
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鋳造工場を見学

5.DAIM VIETNAM CO., LTD (第一ビニール) 14時から15時半
主力製品である菜園用品(パイプ、ネット)製造工場を訪問。日本・中国・ベトナムの3製造拠点からなるネットワークをフルに活用した消費者ニーズに対応した最適地生産、ベトナム南部の投資環境、労働者との接し方などについてお話しいただきました。特に消費者ニーズに対応した絶え間ない商品開発と海外生産によるコストダウンに向けた努力は、大変勉強になりました。

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会議室にて
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主力商品

6.Vulcan Industry Co., Ltd. (台湾鋳造メーカー) 15時40分から17時
緯西企業グループ(前述)が2011年にビンズオン省に設立した自動車部品用(日本企業向け)の精密鋳造工場を訪問。精密および砂型鋳造について、金型・鋳型の製造から乾燥、金属溶解、表面処理に至る全工程を一通り見学しました。終了後、企業トップ・幹部行き付けの台湾料理店での夕食会に招待され、台湾人の異国での私生活をも経験することができました。

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鋳造工程を見学
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台湾企業トップ・幹部との夕食会

9月2日(水曜日)
7.イオンモール 10時から14時半
祭日ということもあり、現地買い物客で賑わっていました。昼食はフードコート内にある丸亀製麺、吉野家、ラーメン等の日本食を各自で食べ歩きしました。

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ベトナム・ホーチミン⇒タイ・バンコク
ホーチミン・タンソンニャット国際空港から17時のフライトでバンコクに18時30分到着。

9月3日(木曜日)
8.アマタナコン工業団地管理事務所 10時から11時10分
アマタナコン工業団地の概要から工業団地入居のメリット、タイでの駐在員の仕事や生活面での魅力等、学生の励みになるお話をいただきました。

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管理事務所にてブリーフィング
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質問風景

9.E&H PRECISION THAILAND(平岡産業) 11時20分から12時20分
東南アジア最大級の切削加工工場を訪問。自動車やバイクの燃料噴射装置やブレーキといった重要部品から、音響、家電、OA機器、釣具、玩具まで、技術開発から工程設計から試作から生産をおこなっているとのこと。精度の高い自動旋盤を見学できたことは、大変貴重な経験となりました。

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NC旋盤加工機と研磨機を見学
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10.NISSAN MOTOR (THAILAND) CO., LTD. (日産自動車) 14時半から16時
全世界の日産工場の中でのタイの役割やFTAを利用した輸出の話等、自動車産業のグローバル展開について理解を深めることができました。工場見学では、自動車のライン生産を拝見し、自動車工場で働く人々の工夫や努力について勉強することができました。

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会議室にて
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正面玄関にて記念撮影

11.ジェトロバンコク事務所 17時から18時
タイ自動車産業政策の推移と経済発展、アセアン随一の産業集積地であるタイが今後中所得国の罠をいかに克服していくかなど、途上国の発達モデルを学ぶ上で大変貴重なお話をいただきました。また、タイにはカンボジアからの出稼ぎ労働者が多く、カンボジア国内の産業発展とメコン地域全体の産業発展と動向をみていく必要があることなど、学生にとっては新しいことばかりで大変勉強になりました。

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ジェトロバンコクオフィスにてブリーフィング
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9月4日(金曜日)
12.Saha Seiren Co., Ltd.(セーレン) 10時半から13時
自動車カーシート生地の一貫生産工場を訪問。原糸から裁断縫製までの一貫生産システムにより、競合他社との差別化を図りながら、現地生産・現地販売を行っていること等、繊維業界を代表するグローバル企業の成功の秘訣を勉強することができました。

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訪問団団長からの挨拶
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一貫生産工場を見学

13.FUKUI BYORA (THAILAND) CO., LTD.(福井鋲螺) 14時半から16時
微小・特殊形状の鍛造パーツの製造工場を訪問。タイ進出を決められた時のポイント、金型を内製化することで精度の高い冷間鍛造をされていること等、タイで競争力のある付加価値の高い製品を製造されていることに感銘を受けました。

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会議室にて
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正面玄関にて記念撮影

9月5日(土曜日)
14.BANGKOK-AMC Co., LTD(日本エー・エム・シー) 9時半から11時
高圧配管用継ぎ手部品の製造工場を訪問。タイにて建機から自動車部品産業へのシフトに成功され、新工場建設に至る経緯のお話をいただきました。中国・タイ・フィリピンとリスクヘッジを行いながら現地の経済・産業構造の変化に対応されている企業経営を学ぶことができ、大変勉強になりました。

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会議室にて
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工場見学

9月6日(日曜日)
15.SMI Travel(現地旅行会社とのホテル内研修) 9時から11時
現地旅行会社から日本製品の競争力と北陸のインバウンド政策についてブリーフィングを受けました。タイ人の日本のイメージが先進国の中でNo.1であること、タイ人が日本製品で購入したいものとは、日本の各都道府県がインバウンドを強化するにはキラーコンテンツをPRすることが有効であること等、タイの国民性や商習慣の観点からお話をいただきました。

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ホテル内でのブリーフィング

16.商業施設でのフィールドワーク 14時半から16時
EmQuartier(エムクオーティエ)、The Emporium Shopping Complex(エンポリアム)を訪問。
「日本製品の競争力」をテーマに、3グループに分かれ現地ショップ店員やお客様に、英語でのインタビューを行いました。

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お客様へのインタビュー風景

9月7日(月曜日)
タイ・バンコク⇒日本
バンコク・スワンナプーム国際空港から9時45分のフライトで羽田経由で小松空港に20時40分時到着。
高速バスで福井駅に22時無事到着。


■参加者の声

【就職後の目標がより明確に】
今回の研修に参加し、(1)企業の海外進出のきっかけは安い人件費だけではないこと(2)進出国・専門分野へのこだわりを捨てた柔軟でスピーディな対応の重要性(3)言葉(現地語)の重要性、を学ぶことができました。就職後は「その国の歴史、文化、特徴から人格を読み解く」「その国の言葉で会話できるようになる」ことに努め、マネジメント、ビジネスの視点もしっかり持って海外展開に携わっていきたいと思います。(経営学科4年)

【英語プラスワンで中国語も】
企業訪問では、企業の方からの説明を聞くだけではなく、質問することにより理解度が高まっていくことに気がつきました。これからの就職活動に向けても、積極的に質問していくことを心掛けていこうと考えています。フィールドワークの英語での調査は、外国語が話せることで様々な国の人とコミュニケーションが取れることを実感しました。現在中国語を勉強しているのですが、それに合わせて英語も会話に重点を置いて勉強するつもりです。(経営学科3年)

【国際ビジネスに芽生えた】
実際に海外で働く人たちに接して、生き生きしていてとても輝かしく見えました。就職後は今回の研修で学んだことを活かして、国際ビジネスに自分から携わっていきたいと思います。海外で働くために必要な基礎語学力、ローカルを指導できる固有技術、専門知識、海外人材向きの性格・資質等まだまだ自分には足りないものばかりで、これからどのように勉強していくべきか、何を鍛えていくべきかを掴むことができたのではないかと思います。(経済学科2年)

【机上では学びきれない海外ならではの体験】
日本の工場にはない生産工程や会社の仕組み、現地従業員とのコミュニケーションの工夫など、ベトナム、タイだからこそ分かることが多かったと思います。今後の国内インターンシップなどで日本の企業と比較したい。商業施設フィールドワークでは、店員、客に自分から英語で質問し、積極性とコミュニケーション力が鍛えられたと思います。(経済学科2年)

【勉強意欲が芽生え大学での講義がとても楽しみ】
現地に進出している多くの企業を訪問でき、視野が広がりました。鋳造や自動車の生産ラインなどを初めて見ることができ、貴重な体験となりました。出発前より高い意識で日本に帰ってこれたので、この経験を生かして大学生活を充実させ、就職してからも役立てていきたいと思います。(経済学科2年)

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