福井県企業の海外展開を支援するため、台日産業連携推進オフィス（TJPO）を招聘し、日台連携に関心のある県内企業とアジア展開への可能性についての意見交換を行った。

福井県企業からは、台湾には優れた量産能力があり、日本でしかできない独自の商品や技術を提供することにより、お互いに新たな市場を開拓する可能性が広がるのではないかという意見が出た。台湾企業の中国への進出には目覚ましいものがあるので、台湾の人脈を掴み信頼関係を構築した上で、中国や東南アジアでの生産拠点の確保や現地のニーズに合致した商品・サービスの開発を共同で行うことにより、アジア市場におけるビジネスチャンスを掴めるのではないかという意見もあった。

台湾TJPOの見解は、まず現地での需要を把握してから現地生産に取り掛かることが肝要であるということ。TJPOは台湾の産業界と太いパイプが有り、提携先を紹介することもできると訴えた。

今回の意見交換の後TJPOの紹介で、翌週には台湾へ出向きバイヤーとの商談を行うことになった企業や、1月には台湾の提携先候補企業への訪問を進めている企業もある。
地域経済研究所は、今後もTJPOを介して台湾での連携先探しや人脈作りが進展するよう支援事業を継続していく。

訪問団:8名
経済部工業局副局長 呂 正華氏
台日産業連携推進オフィス（TJPO）執行長 張 啟裕氏
台北駐大阪經濟文化辦事處經濟組商務部長 何 坤松氏
金属センター オプトエレクトロニクス及び半導体設備産業推進オフィス主任 林 建憲氏
金属センター オプトエレクトロニクス及び半導体設備産業推進オフィスプロジェクトマネージャー 許曼莉氏
台日産業連携推進オフィス（TJPO）ディレクター 葉 武松氏
台日産業連携推進オフィス（TJPO）マネージャー 侯 靜怡氏
台日産業連携推進オフィス（TJPO）スベシャリスト 施 沛君氏

12月9日(火曜日)
1.福井経編興業株式会社 9時半から10時半

藤井本部長から事業概要、高木専務からは新規事業や海外展開の方針について説明があった。

2.久保田酒造合資会社 11時から12時50分

客間にて久保田社長からの商品特徴の説明後、酒蔵見学と試飲を行った。

3.株式会社西村金属（チタンクリエーター福井）14時10分から15時10分

細田氏からのチタンクリエーター福井の事業説明後、西村社長より台湾と連携したアジアでのビジネスの話があり、活発な意見交換となった。

4.株式会社下村漆器店 15時45分から16時45分

下村社長より台湾と連携したビジネスの概要の説明後、IH加熱用漆器とIH加熱カートを使う「インカートクック」システムで作った料理を試食。

5.鯖江商工会議所国際化委員会 17時10分から18時

鯖江商工会議所国際化委員会との会合では、張執行長から日台産業連携の現状について講演があり、日台連携について活発な意見交換があった。

12月10日(水曜日)
6.株式会社NCC 9時20分から11時10分

下内社長からのイオンプレーティングの優位性とオンリーワン技術の説明後、工場を見学。
オプトエレクトロニクス及び半導体設備産業推進オフィスの林主任は高い関心を示していた。

7.株式会社杉原商店 11時半から14時20分

和紙の原料である楮（こうぞ）、みつまた、雁皮（がんぴ）と完成品の和紙を見比べ、越前和紙に対しての理解を深めた。
写真右:上段左から、何商務部長、張執行長、許プロジェクトマネージャー、林主任、葉ディレクター
下段左から、丸屋所長、杉原社長、呂副局長、侯マネージャー、施スベシャリスト

人間国宝九代目 岩野市兵衛氏の工房を視察。

8.福井商工会議所 15時から15時20分

福井商工会議所に表敬訪問し、福井商工会議所の日台連携に係る主な取り組みの説明があった。

9.日台産業連携フォーラム（福井商工会議所ビル6F 特別会議室） 15時半から17時

「日台産業連携によるビジネスチャンス」と題して、葉ディレクターから日台企業連携によるメリットや取組み事例の講演があった。県内の台湾との連携に関心のある企業・団体総勢36名が出席し、日台連携の成功の秘訣やASEAN諸国への展開に関しても活発な質疑応答や討論が行われた。