清水友斗さん(生物資源学研究科博士後期課程2年)がノルウェーの国際学会で発表し、「Student travel bursary(学生学会参加助成)」を受賞!

魚類の養殖は、天然魚の漁獲生産量が頭打ちになった現在でも成長を続ける世界的に重要な産業ですが、養殖を行う上で課題となるものの一つが”魚病”です。その対策として魚類が本来持っている免疫機能を活性化させ、病気を予防することができる水産用ワクチンの利用が近年の感染症予防の主流になっています。しかし、魚類の免疫機能には未だ不明な点が多く、より良いワクチンを開発するためには、魚類免疫の理解が重要です。

魚類の体内に侵入したワクチンや病原体などの異物(抗原)は、免疫細胞が働く脾臓のエリプソイドと呼ばれる領域で捕捉され、免疫応答が始動すると考えられています。しかし、エリプソイドに存在する抗原捕捉細胞は現在まで単離されず、その特徴も明らかになっていません。

福井県立大学 生物資源学研究科 海洋生物資源学専攻 大学院生(博士後期課程)の清水友斗さんは、同研究科末武弘章教授の指導のもと、トラフグを研究材料として、脾臓エリプソイドに存在する抗原捕捉細胞の単離法の確立と単離した細胞の性状解析を行いました。本成果である「トラフグ脾臓エリプソイドの抗原補足細胞の単離と性状解析」について、2022年12月12日から15日にノルウェーで開催された魚介類免疫国際学会が開催する第4回The International Conference of Fish and Shellfish Immunologyにおいて発表しました。「Student travel bursary(学生学会参加助成)」を受賞しました。

本学術集会は3年に一度開催され、魚介類の免疫学、分子生物学、微生物学など幅広い分野の研究者が集まります。魚の免疫系や病原体に関する最新の研究を発表・討論し、魚類免疫学の発展を通じて、養殖魚の動物福祉を改善し、優れた水産物を世界の方々に届けることを目指しています。

今回の研究成果により、魚類免疫の始動を担う細胞の単離が可能になったため、ワクチンによる魚類の免疫活性化機構を理解することにつながると期待されます。

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                      学会で発表する清水さんの様子

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