木村小夜教授『問いかける短篇 ―翻案・童話・寓話―』の発刊について

本学の学術教養センター 木村小夜教授が、近現代日本文学の中でもとりわけ手軽に読み返せ、誰もがその謎に立ち入ることのできる短篇小説の数々を論じた研究書『問いかける短篇 ―翻案・童話・寓話―』を刊行しました。

  1. 基本情報
    著 者:木村小夜
    表 題:『問いかける短篇 ―翻案・童話・寓話―』
    出版社:和泉書院
     
  2. 内容
     文学作品はその中に一切を内包し、言葉同士が緊密に結びつき合って完結している――この素朴な信頼のもと、私達は個々の小説の細部に分け入り、表現そのものを起点としてどこまでも読みを深めていくことができます。その際、物語の未解決性や変則的な因果の構図といった謎は、むしろ新たな読みを誘い出し深めていく契機となるでしょう。とりわけこうした謎の表れやすいのが、翻案・童話・寓話といった方法による短篇です。
     ここでは、視点人物の錯誤や死角、物語の矛盾や構成上の断絶、童話的因果応報のような定型からの逸脱、反復の中の変質に着目し、あるいは原拠や周辺言説との比較検討を通し、漱石・鷗外・芥川・未明から三島などの戦後作家、さらに森見登美彦といった現代の人気作家まで、各短篇の緻密な構築性を解明しています。
     文学研究の専門書ではありますが、かつて教科書教材に採用されたなじみのある短篇を多数取り上げ、またFM福井「空飛ぶ文庫」を元に対話形式で編んだ既刊『ままならぬ人生―短篇の扉を開く』(澪標、2015)のいわゆる親本として、元となった論考を収録しました。作品論的研究が今もなお進行中であること、言葉の創り出す虚構世界の奥深さを堪能して戴ける一冊です。
     
  3.  購入方法
      全国の書店・オンラインショップ(Amazon、楽天、紀伊國屋書店他)でお求めいただけます。(定価:5,500円)
     
  4. 詳細はこちら(和泉書院ホームページ)
    https://www.izumipb.co.jp/book/b603519.html

表紙

Contact このページのお問い合わせ先

福井県立大学
〒910-1195 福井県永平寺町松岡兼定島4-1-1 
TEL : 0776-61-6000 FAX : 0776-61-6011
E-mail : so-kikaku@fpu.ac.jp