カニ殻資材を使った「いちほまれ」の試験栽培が開始しました

福井県と福井県立大学は、福井県立大学で開発したカニ殻資材を使った「いちほまれ」の試験栽培を令和3年度から行っています。5月2日(火曜日)には、坂井市三国町の水田でカニ殻資材を与えて育てた「いちほまれ」の田植えが行われました。

使われたカニ殻資材は、本学創造農学科の木元久教授が廃棄されるカニ殻の有効利用を目的として開発したもので、芦原温泉の旅館から提供されたカニ殻を利用した「越前がに100%の農業資材」です。

カニ殻の主成分は「キチン」と呼ばれる多糖です。また、植物病原微生物の約8割はカビ(真菌類)ですが、その細胞壁の主成分もカニ殻と同じ「キチン」です。キチンを散布された農作物は、外敵から身を守るための生体防御機構を活性化し、丈夫に生育するため収穫量が向上します。

このように、農作物に対して優れた効果を発揮するカニ殻ですが、(1)カルシウム含量の高いカニ殻の状態では効果が低いこと、(2)粉末状では農業資材として使い勝手が悪いという問題がありました。そこで木元久教授は、カニ殻からカルシウムを除去して、キチンを液状化した農業資材を開発しました。

一方、福井県坂井農林総合事務所は、新たに開発した最高級ブランド米である「いちほまれ」のブランド力をさらに高めることを模索していたことから、福井県のトップブランドである「越前がに」の殻を100%使用した新たな農業資材による栽培試験を木元久教授と開始しました。

このようにして生産された「いちほまれ」は、令和5年度中に県内外で試験販売を行います。そして「カニ殻資材」は、来春から商品として販売を予定しています。

写真1

写真2
田植えの様子

写真3
液体のカニ殻資材と「いちほまれ」の苗

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