海藻「アカモク」のヒト腸内細菌叢改善作用を解明

 本学看護福祉学部(大学院健康生活科学研究科)の村上茂特命教授は、福井県産の海藻「アカモク」の腸内細菌に対する作用をヒトで検討し、アカモクの健康増進効果に腸内細菌叢の改善作用が関与している可能性を明らかにしました。
 アカモクは福井県沿岸で、ワカメの生育を妨げる邪魔者として毎年駆除・廃棄されてきました。村上特命教授は廃棄されているアカモクの有効活用をめざし、これまでに動物モデルやヒトで健康増進効果の解明、中学校での食育、地元企業と新たな料理メニューや製品開発などを進めてきました。今回、福井県在住の健常被験者約80名(平均年齢51歳)に、福井市越廼漁協が製造販売している茹でた冷凍アカモクを3週間食べていただき、アカモク摂取前後で採取した糞便サンプルを用い、富山県立大学・古澤之裕准教授と共同で腸内細菌叢の解析を行いました。
 その結果、アカモク摂取により、やせやすい腸内環境の指標であるデブ菌(ファーミキューテス)/ヤセ菌(バクテロイデス)比が有意に改善され、健康的な腸内細菌タイプの被験者が増加しました。また、便通改善や体重減少も観察されました。アカモクには水溶性食物繊維(アルギン酸、フコイダン等)が豊富に含まれており、これらが善玉の腸内細菌により発酵分解され、腸内環境の改善につながったと考えられます。
 以上、ヒト試験の結果から、これまで明らかにされているアカモクの健康増進効果に、腸内細菌叢改善作用が関係している可能性が示唆され、下記のとおり記者発表会を行いました。

日時:令和6年6月18日(火曜日)10:00 ~ 11:30
場所:福井県立大学永平寺キャンパス 地域経済研究所 1階企業交流室
説明者:看護福祉学部看護学科(大学院健康生活科学研究科)
    特命教授  村上 茂

                    記者説明の様子

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