福井県立大学初!大学発ベンチャー企業「マイクローブケム合同会社」を設立しました

 本学では、2月20日(金曜日)、生物資源学部の濱野教授、丸山准教授が立ち上げた新会社「マイクローブケム合同会社」を福井県立大学発ベンチャー企業の第1号企業として認定し、同日認定式および記者説明会を開催しました。


 マイクローブケム社は、濱野教授と丸山准教授が開発・研究している微生物利用技術について、バイオ・医薬分野や化学分野での事業化を目指すため、東京に本社を置く化学品の企画開発・販売会社「日本材料技研株式会社」の協力の下設立したもので、社名は微生物を意味する「microbe」と、化学を意味する「chem」を由来としています。企業経営のノウハウを有する日本材料技研株式会社の社員でもある 坂本 祥宏 氏を代表社員とし、濱野教授を最高技術責任者、丸山准教授を技術顧問とする、従業員3名の会社です。


 同社が事業化を目指すのは、土壌に生息する微生物から生成される天然由来のポリアミド化合物「ポリリジン」の多分野展開です。天然由来のポリリジンは生体適合性や環境への親和性が高く、医療分野やバイオプラスチックなど機能性素材分野等での展開が期待される物質でしたが、これまで技術的な課題により実現していませんでした。濱野教授と丸山准教授は、新たにポリリジンを様々な分野で応用する技術について研究を進めており、この取り組みに賛同いただいた日本材料技研株式会社から資金面、企業経営のノウハウ面でご支援いただき、今回、新会社の設立が実現しました。


 認定式では、本学の山田理事長が坂本代表に対して本学発ベンチャー企業であることを認定する認定証を授与し、「本学発ベンチャー企業の先駆けとして、県立大学の研究成果を幅広い分野で活用していって欲しい」と挨拶。認定証を受け取った坂本代表も「期待に応えられるようにがんばりたい」と今後の抱負を述べました。


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 マイクローブケム社は、ポリリジンについて今後、機能性素材分野では防滴や帯電防止効果を活かした「曇らないメガネレンズ」や、強度を活かした「バイオプラスチック」としての活用を、また、医療分野では親水性と抗菌活性を活かした人工血管や人工弁のコーディング等の分野での活用を視野に、関連メーカーに対して提案を行っていくとのことで、認定式後の説明会で坂本代表は「年内を目途にサンプル展開をしていきたい」と今後の展望を述べ、濱野教授は、「研究者として新たに技術を開発するだけでなく、様々な人が活用しやすい形にしていくことが大切であり、この会社でそれを実現したい」と意気込みを語りました。


 本学では現在、濱野教授が発明したポリリジン活用に関する技術について国内特許および海外特許を申請しており、同特許の権利について本学はマイクローブケム社とライセンス契約を締結しました。同社は永平寺キャンパス内に構えた事務所を拠点に、今後様々な分野の連携先にサブライセンスを展開することで、ポリリジン活用技術の実用化を目指していく予定です。


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