胎盤が形成される新たなしくみを発見しました

本学看護福祉学部看護学科の水谷哲也教授と福井大学医学部産科婦人科との研究グループは、妊娠成立後、胎盤が形成される過程においてYAP/TAZ-TEADとよばれる細胞内因子が重要であることを突き止めました。
本研究成果は、国際学術誌「Molecular Human Reproduction」のオンライン版 (https://doi.org/10.1093/molehr/gaac032) に掲載されました。

胎盤は胎児と母体をつなぎ、母児間でのガス交換や栄養・代謝物質の運搬を行うことで出生まで胎児の成長を支える器官です。しかし、胎盤の機能が十分に果たされなければ、妊娠高血圧症候群や胎児発育不全をはじめとするさまざまな疾病の原因となります。残念ながら、現在においても胎盤の形成や機能調節のしくみは不明な点が多く残されているため、これらの原因は十分に分かっていません。

本研究では、胎盤形成過程におけるYAP/TAZ-TEADとよばれる細胞内因子の役割を明らかにしました。YAP/TAZ-TEADがはたらいている時は細胞増殖が盛んにおこなわれますが、このはたらきが低下すると胎盤ホルモンを産生したり、物質交換を行うような機能の異なる細胞へと変化します(図)。このようにYAP/TAZ-TEADは胎盤形成や機能を調節する重要な因子であることが示されました。今後、YAP/TAZ-TEADと胎盤形成不全との関連を明らかにすることで、新たな診断法や治療法の開発につなげていきたいと思います。

                胎盤の細胞

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