恐竜学研究所

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古生物学研究のイノベーションを目指す

 日本有数の恐竜化石産地である福井県は、1989年から本格的な発掘調査が始まり、2000年には福井県立恐竜博物館が開館するなど、古生物学への関心が非常に高く、現在では県のアイコンとしても恐竜は欠かせない存在になっています。そんな福井県における古生物学の研究拠点として、恐竜学研究所は2013年にスタートしました。
 前述の恐竜博物館との密接な連携により、世界でも指折りの展示や発掘現場を生かした特色ある教育と、収蔵資料や専門機器を活用した質の高い研究を展開し、福井県の恐竜ブランドの機能を教育と研究の両面で発揮させています。
 また、国内外の研究機関とのネットワークを駆使して、県外・海外での発掘調査など、グローバルな研究活動を進めています。さらに、近年めざましく発展しているCTスキャン技術の活用はもとより、AIなどの最新技術を生かした研究手法の確立を目指し、恐竜をはじめとする古生物の研究における新たな分野を切り開いています。

世界に羽ばたく研究を生み出す

恐竜学研究所は、開所以来、福井県立恐竜博物館と密接な連携を持って、調査研究や教育を行ってきました。現在は、中国科学院古脊椎動物古人類学研究所とゴビ砂漠などで共同恐竜発掘調査のほか、恐竜博物館と中国浙江省やタイ東北部で恐竜発掘調査を実施しています。また、産業技術総合研究所発ベンチャーである地球科学可視化技術研究所とバーチャル技術を活用した恐竜研究を行うとともに、地域主導型の実践的なオープンイノベーションを推進しています。

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研究成果を学生にフィードバック

本学の一般教育科目「恐竜学」、「地球生命史学」などで、研究所教員が恐竜の化石、発掘などの研究成果を交えながら、学生に恐竜の魅力を教えます。「構造地質学」「古脊椎動物学実習」なども開講しています。

ネットワークを生かした展開

現場重視の研究機関として、福井県立恐竜博物館や中国科学院古脊椎動物古人類学研究所など国内外の大学や研究機関との連携・交流・共同研究により、恐竜学研究のレベルを高めていきます。2016年には日本古生物学会にあわせ、恐竜学に関する国際学会やシンポジウムを開催し、研究成果などを発表しました。

岩石中の化石から骨格を復元 原始鳥類フクイプテリクスの研究

2014年に勝山市の恐竜化石発掘現場で恐竜時代の鳥類の化石が発見され、2019年に新種「フクイプテリクス・プリマ」と命名されました。骨がとても小さいため、普通の方法では岩石から取り出すことができず、CTスキャンで骨の画像を取得し、コンピューター上で骨の取り出し作業を行いました。そして、3Dプリンターでそれぞれの骨をプリントアウトし、それを使って骨格を復元するとともに、分類学的な研究をすすめ、「始祖鳥」に次ぐきわめて原始的な鳥類であったことを明らかにしました。

3Dプリントで復元されたフクイプテリクスの骨格
3Dプリントで復元されたフクイプテリクスの骨格
 

CGによる生体復元
CGによる生体復元
制作協力:吉田雅則 客員教授

 

アロサウルスの実物頭骨をCTスキャン

アロサウルスの実物頭骨をCTスキャンした後、デジタルデータ上で個々の骨に分割し、比較研究に活用している。

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