恐竜学研究所

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古生物研究におけるアナログとデジタルの融合

福井県には日本最大の恐竜化石発掘現場があります。1989年に始まった発掘調査は、2023年まで30年以上継続的に行われ、鳥類を含めて7種の新種の恐竜類が発見されています。2023年には福井県立恐竜博物館がリニューアルされ、80万人が訪れる日本随一の自然史系博物館となっています。
そのような恐竜王国福井に、「学生が恐竜を研究できる場を」という目的のもと、恐竜の研究拠点を目指して、2013年に恐竜学研究所が設立されました。恐竜博物館との密接な連携による展示標本や発掘現場を活かした、いわゆる“アナログ”な研究を中心としながら、最新機器を使用した“デジタル”な発展的研究方法を取り入れ、質の高い研究を展開しています。
さらに、福井県にとどまらず、国内外の研究活動にも力をいれており、県外や海外での発掘調査や標本調査などを通して様々な研究機関とのネットワークを広げ、恐竜のみならず幅広い古生物の研究を進めています。近年、CTスキャン技術を利用した研究にも注力し、最新技術を活かした研究手法の確立と新たな分野の開拓を行っています。

恐竜研究の最前線を紹介

一般教育科目「恐竜学」、「地球生命史学」などで、最新の情報や研究成果を交えながら、学生に恐竜や古生物学全般の魅力を伝えます。「古脊椎動物学実習」は、福井県でしか経験できない実習内容になっています。

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プシッタコサウルスの実物頭骨をCTスキャン後、個々の骨を分離し比較研究を行った。

海外ネットワーク

現場を重視した恐竜研究機関として、福井県立恐竜博物館や中国、タイなどの博物館・研究機関と、共同研究・交流・連携を積極的に行い、研究レベルの向上に努めています。海外で行われる学会への参加のみならず、福井県においても国際的なシンポジウムを開催していきたいと考えています。

多様な分野との交流

本研究所は、開所以来、多様な研究機関と交流を重ね、密接な連携を行っています。国内外の大学や博物館などの研究機関に加え、産業技術総合研究所発ベンチャーである地球科学可視化技術研究所とバーチャル技術を活用した研究や地域主導型の実践的なオープンイノベーションを推進しています。

新種の恐竜を発表

2023年9月、福井県で6番目となる新種恐竜(鳥類を含む恐竜類としては7番目)を発表しました。走ることに適した体型で「ダチョウ型恐竜」とも呼ばれる、オルニトミモサウルス類に属する恐竜です。従来ティラノサウルス類のみが持つと考えられていた特徴がこのグループにも見られることを示した大きな発見で、「福井県産の暴君(ティラノ)もどき」を意味するTyrannomimus fukuiensis(ティラノミムス・フクイエンシス)と名付けました。オルニトミモサウルス類としては日本初の新種です。また上記の発見に関連して、このグループの起源が700万年以上遡る可能性を示し、進化や分布の拡がりを考察する上で重要な情報を明らかにしました。

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ティラノミムスの復元図と発見部位(白)
画:G. Masukawa



 

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