先端セミナー(2019/3/18(1))

生物資源学先端セミナー

演題:凍結ストレスに対する植物の応答機構 

   ~細胞膜と細胞壁の観点から~ 

演者:高橋大輔 博士

 (Max-Planck-Institute of Molecular PlantPhysiology)

 -講演内容- 

 植物を取り囲む環境ストレスの中でも、凍結ストレスは様々な要因を内包する非常に複雑な傷害
機構を持つ。そのために、植物は凍らない程度の低温を感知し、予め凍結耐性を増大させる機構を
備えている(低温馴化)。細胞膜は凍結傷害の初発部位と言われていることから、植物は低温馴化
過程で細胞膜の脂質・タンパク質組成や機能を調節することにより凍結傷害を防いでいると考えら
れている。本セミナーでは、細胞膜上に存在する膜タンパク質の低温応答に着目して解析した結果
をご紹介したい。
 一方で、低温馴化後に氷点下温度を追加処理することによって、凍結耐性がもう一段階増大する
現象が先行研究で示されている(氷点下温度馴化)。これまで、細胞壁関連遺伝子の発現が氷点下
温度馴化で特異的に上昇していることが明らかになっている。一方で、細胞壁を含む細胞外空間の
凍結挙動は植物の生存を大きく左右するにも関わらず、それらの低温応答機構の包括的な解析は
これまで行われていなかった。そこで本セミナーでは、低温・氷点下温度馴化中の細胞壁の変化を
多面的に解析した結果も交えて、植物の低温応答機構を、細胞膜と細胞壁の両面から議論したい。

 

日時: 平成31年3月18日(月曜日)15:30 ~ 16:30 

場所: 生物資源学部棟1階 会議室

連絡先: 担当教員名  岩崎 行玄 (内3514)
 

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