【生物資源学先端セミナー】

演 題：「さまざまな出会い」
　　　　～県大から始まった私の研究人生～

演 者： 東京大学大学院農学生命科学研究科　
　　　　神谷岳洋 准教授
　　　　　
日時： 令和6年7月12日（金曜日）
　　　　16：30～17：30
　
場所： 福井県立大学 永平寺キャンパス
　　　　生物資源学部棟 1F会議室

要旨：
　福井県立大学でイネを材料にスタートした研究生活は、早いもので23年目にな
る。県大の研究室で過ごした4年生の1年間は、研究の技術や考え方に加えて、楽
しさを学んだ時期でもあり、その後の人生に大きく影響を与えている。現在も植
物を研究し、「植物栄養学」を専門としている。植物が栄養を吸収し利用する仕
組みを明らかにし、その知見を応用に生かす研究をしている。これまでの研究の
中から、本セミナーでは異なる二つを紹介する。　
　一つは、植物の分泌性トライコムと呼ばれる器官において、私達が発見・命名
した「neck strip」という構造についである。美しい顕微鏡写真を用いて、その
ユニークな機能について紹介する。
　もう一つは、バングラデシュで進めている、安全で栄養価が高いイネの育種・
栽培プロジェクト(SANRICE)である。現地で大きな問題となっているヒ素汚染・
「隠れた飢餓」の解決を目指す社会実装型プロジェクトである。現在進行中で、
大きな成果はないが、論文にはあまり書かれない、農学の最前線の現場を紹介す
る。
　当日は「さまざまな出会い」に触れつつ紹介したい。

参考文献：
　Kamiya et al. (2015) PNAS, 112, 10533    
　Prashant et al. (2022) Front. Plant Sci., 13, 868661
　Hao et al. (2024) Nature Plants, 10, 381

教員・院生・学部生のみなさんの来聴を歓迎します！

問い合わせ先：
担当教員　篠原 秀文（内線　3520）、塩野 克宏

ポスターはこちらのリンクからも見られます。
https://drive.google.com/file/d/1yl1bzgYE1arLAagoySrXnU02f-imaaDG/view?usp=sharing