先端セミナー(2025/12/18)Adsuki: The Bean of Japan 内藤 健先生(農研機構・遺伝資源研究センター ・上級研究員)

【生物資源学先端セミナー】

 日時:2025 年 12 月 18 日 (木曜日)
    16:00 ~ 
 場所: 生物資源学部棟 1階会議室


 演題:Adsuki: The Bean of Japan

 講師:内藤 健(農研機構・遺伝資源研究センター ・上級研究員)


  この研究は考古学の関係者から「アズキの起源をDNAで辿ることはできないか」という
 相談を受けたところから始まった。
 お⾦は出してくれるとのことだったので、ジーンバンクのコレクションを適当にシーケンスして、
 それらしい結果が出れば御の字かな、という軽い気持ちで引き受けた。
 実際にシーケンスをして系統解析をしてみると、どう⾒てもアズキの起源が中国だとしか⾒えない
 系統樹ができてしまった。
 儚い夢であった…と思ったのもつかの間、その系統樹をよく⾒てみると、決定的に現実と合わない箇所がある。
 ⽇本のヤブツルアズキ(祖先種)が、⽇本の栽培アズキが再野⽣化したかのように⾒えるのだ。
 そんなはずはなかろう。そこで、普段なら⼀顧だにしない葉緑体ゲノムに該当するものをシーケンスデータの中から
 抜き出してみることにした。
 ⺟性遺伝する葉緑体は、⼈が栽培と収穫を続ける限り⼊れ替わらない。
 もしアズキの起源が⽇本なら、中国のアズキも⽇本型の葉緑体を持っているはずだ。
 果たしてその結果は…。
 アズキの⽇本起源説を完全なものにした研究の軌跡が、ここに明かされる︕


 参考⽂献︓Chen et al. (2025) A single domestication origin of adzuki bean in Japan
      and the evolution of domestication genes. Science, 388: eads2871
 

 今回の先端セミナーのテーマは、ゲノム解析によって明らかになったアズキの起源です。
 ゲノム解析のがもつ⼒と遺伝資源の魅⼒を、内藤さんにたっぷりと語り尽くしていただきます︕︕
 

 本セミナーは⼤学院講義「遺伝資源学」の⼀環として実施しますが、学部⽣や⼤学院⽣、
 教職員のみなさんの参加も歓迎いたします。

 連絡先
 福井県立大学 生物資源学部 生物資源学科
 TEL(0776)61-6000(代)
 風間裕介 (内線3618)

 
ポスターはこちらのリンクからも見られます。
https://drive.google.com/file/d/12MocPHRDKRg-Gv_OVZopheR3zLEF6mfB/view?usp=drive_link

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