海洋生物学研究室

研究紹介

現在の主な研究課題

(1) 褐藻の形態形成と光に関する研究

陸上の環境と同様に、海の中でも光は植物にとって必要不可欠な物であるため、光を感受し、さらに光の強さや方向を適切に認識して、それに適応するように成長することや形態を変化させることは、海藻の生育において重要なことです。そこで大形藻類、特にコンブ、ワカメなどの有用藻類を含む褐藻植物がどのように光を感じ、どのような仕組みで光に適応するかを明らかにしたいと考えています。

(2) ラン藻にみられる超高分子多糖の重合・放出に関する研究

ラン藻の一部の種では、細胞外に多くの多糖を放出する性質を持ちます。九州地方の清流に成育するラン藻のスイゼンジノリでは、伝統的な食材として食される以外に、多糖成分が化粧品や医薬品の原材料として利用されています。しかし、ラン藻が多糖を細胞外に放出する仕組みは、よく解っていません。ラン藻の全ゲノム解析を行い分子生物学的な観点からラン藻の多糖を放出する仕組みを研究しています。

新規に分離されたラン藻
新規に分離されたラン藻
高分子多糖をつくるよ!

(3)パルマ藻の研究

パルマ藻が珪質の外皮を形成する仕組みについて、形態・分子生物学的に研究しています。

(4) 珪藻進化に関する研究

珪藻はガラスの細胞壁をもつ単細胞の藻類で、10万種類以上が存在していると考 えられている巨大なグループです。 珪藻は貝類や甲殻類などの種苗生産におけ る初期餌料, 古環境復元や水質指標のツールとして重要であるだけでなく, 近年 ではナノテクノロジーやバイオ燃料といった観点からも注目を集めていますが、 その進化の過程はあまり知られていません。そこで細胞形態や全ゲノム/トランスクリプトーム、生態や 生殖様式などといった手掛かりをもとに、珪藻がどのようにして進化して今日み られる多様性を獲得したのかを明らかにすべく研究を行っています。

珪藻進化に関する研究
様々な角度から珪藻進化の謎に迫る!

(5) ピコ藻類の増殖・生残戦略に関する研究

水圏には、細胞直径が5 µmにも満たない極微小な藻類(ピコ藻類)が存在することがわかっていますが、細胞の小ささ故に環境中のピコ藻類の動態には不明な点が数多く残されています。そこで、ピコ藻類の中では珍しく細胞壁の形で種を識別可能なパルマ藻をモデルとした研究を進めています。現在は、パルマ藻群集を構成している各個体群(種)の増殖・被食速度の季節変動を解析することで、これまでの現存量や生育水深の調査だけではわからなかった環境変動下における増殖・生残の仕組み解明に取り組んでいます。

2.最近の主要研究業績

本研究室の業績の詳細については各教員のページをご覧ください。

吉川伸哉
佐藤晋也
山田和正