(当日の動画を掲載しました)日本学術会議公開シンポジウムを開催しました!
令和5年8月21日(月曜日)に日本学術会議公開シンポジウム「宇宙や自然を探求しよう~新たな発見をめざす基礎研究の魅力~」を本学永平寺キャンパス講堂で開催しました。
県内高校(羽水高校、丸岡高校、 勝山高校 )、県外高校(金沢大学附属高校、金沢泉丘高校)、高志中学校の生徒を含む約350人の方にご来場いただいたほか、富山大学サテライト会場をはじめ、オンラインでも多数の方にご視聴いただきました。
はじめに、2015年ノーベル物理学賞受賞者であり、日本学術会議会長、東京大学宇宙線研究所教授の梶田隆章先生が「神岡の地下から探る宇宙の謎」と題して基調講演が行いました。基調講演では、地下1,000メートルにあるニュートリノ観測器「スーパーカミオカンデ」や重力波を捉える大型望遠鏡「かぐら」での成果や研究内容についてご紹介いただきました。
梶田先生は「ニュートリノや重力波の観測は始まったばかりで、これから明かされる宇宙の謎がたくさんある。」と述べ、中高生に対しては「ぜひ研究に参加してほしい」とメッセージを送りました。
質疑応答では「太陽やブラックホールの質量はどうやって測るのか」「なぜスーパーカミオカンデを地下に作ったのか」などの質問がありました。
(梶田隆章先生)
次に、国立研究開発法人国立環境研究所地球システム領域領域長の三枝信子先生が「地球をめぐる温室効果ガス~温暖化は止められるのか?~」と題して講演を行いました。講演では世界の気温が産業革命前から1℃上がっていることをご紹介され、温室効果ガスの排出削減の重要性や排出された温室効果ガスの行方について最新の知見を交えご紹介されました。
質疑応答では「世界的な温室効果ガス排出量等のデータはあるのか」「森林や海に温室効果ガスが吸収されることのデメリットはあるのか」などの質問がありました。
(三枝信子先生)
次に、東京大学大気海洋研究所附属国際・地域連携研究センター教授の原田尚美先生が「極域の海氷に棲む未知の生物たちの話~北極と南極の海氷下の観測から~」と題して講演を行いました。講演では南極をはじめとした極域の海が直面する3つの問題として、温度の上昇、海氷の減少、海洋酸性化があり、それらが生物に与える影響についてご紹介されました。また実際の南極での調査の映像を交え、最新の研究内容をご紹介されました。
質疑応答では「南極の氷が急激に減少した理由は何か」「これからの研究のビジョンについて教えてほしい」などの質問がありました。
(原田尚美先生)
次に、福井県立大学恐竜学研究所准教授の河部壮一郎先生が「CTスキャンで恐竜の秘密に迫る~恐竜の脳や神経の解析~」と題して講演を行いました。講演では恐竜の骨格研究の歴史や最新技術を活用した研究やトリケラトプスやティラノサウルスの骨格研究からわかってきたその生態などが紹介されました。
質疑応答では「トリケラトプスも乗り物酔いをしたのか 」「人間と恐竜の骨格の一番の違いは何か」などの質問がありました。
(河部壮一郎先生)
最後に中高生と講演者との総合討論が行われ、各校の代表者から「ニュートリノは光より早いのか」「恐竜の鳴き声はわかっているのか」「南極はガラパゴス諸島のように隔絶された場所ではないのになぜ特殊な生態系が築かれているのか」「温室効果ガスの排出抑制について私たち一人ひとりができることは何か」などの質問があり、講演者からは「いい質問ですね」「非常に重要な視点です」などとのやりとりがありました。
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