カーボンニュートラルの実現に向けて:水田から放出されるメタンの定量手法を確立
カーボンニュートラルの実現に向けて:水田から放出されるメタンの定量手法を確立
―温室効果ガス計測機器を活用した研究と高校生を対象とした体験学習―
生物資源学部(生物資源学科・創造農学科)では、本学の戦略的課題研究推進支援(チームリーダー:塩野克宏教授)のもと、水田をはじめとする農地から放出される温室効果ガスの削減に向けた研究を進めています。
生物資源学科の環境植物学研究室(塩野克宏教授)では、北陸3県で初めて導入した可搬式の温室効果ガス計測機器(メタン・二酸化炭素分析計)と測定用チャンバーを組み合わせ、水田から放出されるメタンを圃場で再現性よく定量する手法を確立しました。これにより、栽培期間を通じたメタン放出量の変化、品種や栽培管理条件による違いを圃場で追跡できるようになりました。
現在、塩野教授、生物資源学科4年生の片山晃汰さんらは、永平寺キャンパス実験研究圃場でコシヒカリを栽培し、田植えから収穫までのメタン放出量を継続的に調査しています。圃場での測定を積み重ねることで、イネの生育段階とメタン放出量の関係を明らかにすることを目指しています。

水田に設置した測定用チャンバーと温室効果ガス計測機器を用いて、メタン放出量を測定する片山晃汰さん(生物資源学科4年)
この研究を地域の環境教育にも活用するため、2026年7月22日には、高校で稲作について学んでいる福井県立福井農林高等学校の生徒を永平寺キャンパスに招き、水田から放出されるメタンについて学ぶ体験学習を実施しました。高校生たちは、水を張った水田でメタンが発生する仕組みや、農業と地球温暖化との関係について説明を受けた後、水田に測定用チャンバーを設置し、水田から放出されるメタンを測定しました。測定画面に表示されるメタン濃度の変化をリアルタイムで観察し、目に見えないメタンの放出を数値として捉えました。

大学の研究で使用している測定装置を用いて、メタン濃度の変化を観察する福井県立福井農林高等学校の生徒たち
環境植物学研究室では、今後、コシヒカリの生育とメタン放出量の関係を解析するとともに、水稲の生産性を維持しながら、水田からのメタン排出を削減できる栽培管理技術の開発を目指します。
本研究および体験学習の様子は、7月22日にNHK福井放送局およびFBC福井放送のニュース番組で放送されたほか、7月23日付の日刊県民福井および中日新聞、7月24日付の福井新聞に掲載されました。
○生物資源学部 生物資源学科 環境植物学分野(塩野克宏教授)のウェブサイト
https://sites.google.com/g.fpu.ac.jp/kankyo
○プレスリリース
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